東日本大震災で大打撃を被った福島第一原子力発電所。誰しもあの惨状とまだ続いている放射能漏れの恐怖に、原子力発電所なんて本当に必要なのか? という疑問が頭の中に浮かんできていることと思います。
私もその一人ですが、残念ながら個人的には原子力発電はなくならない、なくせないと思っています。
全国に点在する原子力発電所は54基あり、今後も増設される計画があります。今や日本の電力の約30%が原子力発電で賄われているそうです。
原子力発電の最も大きな利点は、少ない燃料で莫大なエネルギーを得ることができる点にあります。また、化石燃料による発電に比べて温室効果ガスの放出が少ないという点も世界中で建設が計画されている理由です。一方で、同様に世界中で推進されている太陽、風力、水力、地熱などの自然エネルギーはどうしても発電量が不安定であり、原子力発電と比べれば比出力が大きく違います。
原子力発電を代替できる発電技術は火力発電が筆頭です。でも、大量の温室効果ガスを発生させることが予想されます。世界中が脱原子力に傾けば、埋蔵化石燃料の急速な需要拡大、価格高騰、温室効果ガス増大となり、経済や環境に悪影響を及ぼすでしょう。当面は火力に依存するとしても、自然エネルギーの変換効率と安定性を高めて、普及促進を図っていくことが重要だと思います。
ただ、実現には技術的な発展やそれを促す投資、それに多くの時間が掛かります。先進諸国だけでなくこれから需要が拡大する新興国のエネルギーを賄うためには、原子力発電を避けて通れないと思います。
ですが、福島のような非常に重大な事故が発生してしまった現在、これまでの計画では原発建設・増設にGoがかかることはあり得ないでしょう。
即ち、安全性、事故発生時の設備面及び運用面、非常時体制構築、自己冷却能力確保など、あらゆる面での再構築(検討対策レベルではぬるい!!)が必要です。これは電力会社のみならず国の体制も含めてです。東電幹部や原子力保安院があのように頼りない、何もできない集団だったことが明白になったのですから。
昔、各電力会社はTVCMで「原子力は安全です」と盛んに啓蒙していました。これは結局「不安全」の裏返し。そもそも安全なら宣伝する必要はありません。「火力発電所は安全です」「水力発電所は安全です」とは聴いたことがありません。「原子力」が人類の制御可能なエネルギー源になり切っていない証拠です。
真に安全ならば、首都圏から遠く離れた福島や新潟に原発を作る必要はないのです。真に安全なら東京湾に原発を作ればいいのです。福島や新潟の発電所から東京に電気を送るのに、数百kmの送電線を張っているわけですから、送電ロスだってバカにならないはずです(元のエネルギーが莫大なのでロスが目立たない)。エネルギーも地産地消がいいのは明らかです。でなければスマートグリッドという考え方は出てこない。
期せずして、斉藤和義さんの「みんなウソだった」という替え歌がネットで話題になっています。反原発と社会批判がストレートに表現されたものすごい歌だと思いました。
原子力発電、ないにこしたことはないですが…。なくすのは非常に困難、必要悪として付き合っていくしかないのではないかと思います。
最近のコメント